意見が合わない相手と成果を出す—3つの運用設計

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こんにちは、金田博之です。
今月の「金田博之オンライン勉強会」(金田博之公式LINEで毎月無料ご案内)は、「自分と意見や考え方が違う人との上手な付き合い方」をテーマに、対話形式で深掘りしました。この記事では勉強会の要点をかんたんにまとめます。以下に、今回の動画をそのまま視聴できるように埋め込みますので、ぜひチェックしてください。

今日の流れ(ダイジェスト)

今回いただいたお悩みは、「方向性がバラバラな人と足並みをそろえるにはどうするか」「熱量やエネルギーが違う相手にどう関わるか」「世代や国・文化の違いがある中で衝突を減らしたい」などでした。
結論はシンプルです。相手を“同じにする”のではなく、「違いは前提」と受け止めたうえで、目的で束ねていきます。やることは三つだけ。これを私が最近ハマっているゴルフを例えに説明しました――①違いに興味を持って観察し、共通項を見つける、②まず“カップ(目的地)”と妥当な到達基準(KPI)を決める、③小さな成功(アーリーウィン)を設計して、コーチングで自走を促す。
Q&Aでは、最初にゴールと“今日のパー”(到達基準)を合わせるコツ、価値観の統一を狙わず“やり方”を整える進め方、境界線を定めて共存する考え方、アーリーウィンで動機づける手順、必要に応じて“並走→自走”へ切り替える方法など、すぐ試せる具体策を共有しました。

3つのポイント(全体像)

今回の視点は、「相手を自分に合わせる」か「違いを前提に、目的で束ねる」か、です。実務では後者が有利です。

  • 観察・共通項設計:違いに興味を持ち、共通項を見つけて関係の土台を作ります。
  • ゴール・KPI設計:まず“カップ(目的地)”と適正な到達基準を明確にします。
  • アーリーウィン設計:小さな成功を仕掛け、コーチングで自走を促します。

1. 観察・共通項設計:違いに興味を持ち、土台づくりから始めます

なぜ大切か:人は価値観やテンポが違います。最初から一致を求めると摩擦が増えますが、「違いに興味を持つ→共通項を見つける→土俵を決める」と進めると、安心して話せる基盤ができます。
どんな工夫が必要か:相手の強み・関心・リズムを観察し、共感できる点(仕事の誇り、好きな学び方、休む方法など)を言語化します。同時に“ここは踏み込まない”という境界線も合意して、共存のルールをつくります。
どう実践すると良いか(たとえ話):海外の同僚と仕事をするとき、まず文化の違いを面白がりながら共通項を探します。趣味や働き方の価値観など“小さな接点”が見つかると、国籍を越えて同じチームとして前に進みやすくなります。

2. ゴール・KPI設計:“カップ(目的地)”と“今日のパー”を合わせます

なぜ大切か:ゴールと基準が曖昧だと、やり方だけを議論して空中戦になります。最初に「どのカップを狙うか(目的)」「今日はどのスコアを目指すか(KPI)」を合わせると、衝突が減り、工夫が具体化します。
どんな工夫が必要か:背伸びしすぎず甘すぎない“今日のパー”を決めます(例:まずは“ダボ以内”=合格基準)。人によって攻め方が違っても、目指す地点と評価のものさしが同じなら、行動の自由度を保ちながら前進できます。
どう実践すると良いか(たとえ話):ゴルフで「450ヤード先のこのカップを6打以内で」と合意すると、打ち方は人それぞれでも、全員が同じ旗に向かって進めます。これがプロジェクトの合意形成です。

3. アーリーウィン設計:小さな成功をつくり、コーチングで加速します

なぜ大切か:熱量や得意分野は人それぞれです。いきなり大目標だけを示すと動けません。短期で達成できる小目標を置くと、自信が生まれて次の一歩が軽くなります。
どんな工夫が必要か:1週間で達成できる“手応えタスク”を設計し、できたら具体的に称賛します。ティーチ(手取り足取り)ではなく、問いかけ中心のコーチングで自走を促します。必要な場面だけ“並走”して、早めに主導権を相手へ返します。
どう実践すると良いか(たとえ話):筋トレと食事改善で1週間の体脂肪が落ちると、「自分でもできる」と感じて続けられます。仕事でも同じで、早めの成功体験がモチベーションのエンジンになります。

—(補足・具体例)—

たとえば、朝一に「今日はこのカップを6打以内で狙う。最初の1打は安全に、2打目でフェアウェイへ」とセルフ合意すると、迷いが減ります。マネジメントでは「価値観は合わせなくて大丈夫。運び方を一緒に整えよう」と伝えつつ、境界線(任せる範囲・口を出す範囲)を最初に共有します。動き出しが重い相手には、1週間で取れるアーリーウィンを一緒に設計し、達成時は“何が良かったか”を言語化して称賛します。必要なときだけ並走し、うまく回りはじめたら自走に切り替えます。

おわりに

“違いを生かす力”は、相手を同じにする技ではなく「目的で束ね、やり方を整える設計」です。観察→ゴール→アーリーウィンの3ステップを回すほど、同じチームでも手応えが変わっていきます。うまくいかない日があっても大丈夫です。設計を見直せば、かならずリカバリーできます。

そして、金田博之YouTubeチャンネルでは、毎回のオンライン勉強会で私がお話しした内容の30分程度のダイジェスト版を公開しています。実際の勉強会では、この内容に加えてQ&Aや対話の時間もあり、より具体的な悩みを一緒にほどいていきます。以下に、今回の動画をそのまま視聴できるように埋め込んでますので、ぜひチェックしてください。
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