こんにちは、金田博之です。
今月の「金田博之オンライン勉強会(以下にご案内)」は、「仕事でコンフォートゾーンを抜け出し、ワンランク高い成果を生み出す方法」をテーマに、対話形式で深掘りしました。
この記事では、勉強会でお話しした内容を「今いる場所から成長する3つのステップ」に整理してご紹介します。
以下に、今回の動画をそのまま視聴できるように埋め込みますので、ぜひチェックしてください。
今日の流れ(ダイジェスト)
今回の勉強会では、こんな悩みについて参加者の皆さんと考えました。
今の仕事はひと通り回せるようになった。でも、このままでいいのか分からない。もっと成長したいけれど、今の仕事では自分のスキルやキャリア、場合によっては年収や役割にも、なんとなく限界を感じている。
一方で、「変わる」と考えた瞬間に、転職や大きなキャリアチェンジを思い浮かべてしまう人も多いのではないでしょうか。
また、まわりで活躍している人を見ると、「最初から恵まれた環境にいたのではないか」と感じることもあります。日本の組織では、役職や年次、会議でのお作法などがあり、自分から発言したり挑戦したりすることが難しいと感じる場面もあるでしょう。
そこで今回は、まず日本と海外で働く環境の違いについて考え、そこから「では、自分自身は何ができるのか」という話へ進みました。
ただ、最初にお伝えしておきたいことがあります。
「コンフォートゾーンにいること自体は、決して悪いことではない」ということです。
今の仕事が順調で、家族や生活も充実していて、今の環境を大切にしていきたい。それも立派な選択です。
日本には、オペレーションがしっかりしていて、誠実に仕事をしていればある程度守られる環境があります。ご家族や生活のことまで考えれば、その安定には大きな価値があります。
今回の記事は、その前提の上で、「このままでいいのだろうか?」「もっと成長したい」「今の自分をもう一段上に引き上げたい」と感じている方に向けた内容です。
私自身、日本企業とグローバル企業の両方で仕事をし、世界中のさまざまな人たちと働いてきました。その中で強く感じていることがあります。
人を成長させる大きな要素の一つは、「環境」です。
そして重要なのは、環境が変わるのを待つのではなく、自分から少しずつ環境を変えていくことだと思っています。
3つのポイント(全体像)
今回のテーマは、「会社から言われて変わる」のか、「自分から変えにいく」のか、という対比で考えると分かりやすいと思います。
異動を命じられてから慌てて新しい仕事に向き合うのか。それとも、普段から少しずつ新しい領域に触れ、自分のできることを増やしておくのか。
この差が、数年後の成長カーブを大きく変えます。
- はみ出す:今の仕事の中で、慣れていない領域へ意識的に一歩だけ出る
- 手を挙げる:誰かに言われる前に、自分から挑戦を起こす
- 環境を選ぶ:自分が成長できる環境を、自分で定義して選ぶ
大切なのは、いきなり会社を辞めたり、大きなリスクを取ったりすることではありません。
コンフォートゾーンを抜ける第一歩は、実は今いる場所から始められます。
1. はみ出す
なぜ大切か:
仕事に慣れてくると、毎日の業務を問題なく回せるようになります。これはもちろん、力がついた証拠です。
一方で、「問題なくできる仕事」だけを繰り返していると、自分の成長も少しずつ止まってしまいます。「楽しくない」「やりがいを感じない」という感覚が出てくることもあります。
そこで何もしないまま、会社から「そろそろ別の仕事をやってください」と言われて初めて新しいことに向き合うのでは、少しもったいない。
普段から少しずつ「初めて」を経験している人と、そうでない人とでは、新しい環境に入ったときの初速がまったく違ってきます。
どんな工夫が必要か:
大がかりなことは必要ありません。
- 営業なら:得意な製品だけでなく、別の製品も提案してみる
- 顧客対応なら:少し苦手だと思っているお客様とあえて話してみる
- 人間関係なら:いつものメンバーだけでなく、違う考えを持つ人と仕事をしてみる
- 組織なら:直属の上司だけでなく、「斜め上」のリーダーとも会話してみる
- 業務なら:いつものやり方に、小さな改善を一つ加えてみる
目の前には、まだ自分が慣れていない領域がいくらでもあるはずです。
そこへ一歩だけ「はみ出す」。それが最初のステップです。
どう実践すると良いか(たとえ話):
ゴルフで、いつも得意なクラブばかり使っている状態に近いと思います。
得意な番手だけで回れば、スコアはそこそこまとまります。でも、本番で急に苦手な番手が必要になったときには打てません。
だから練習ラウンドでは、あえて苦手な1本を使ってみる。
仕事も同じです。本番で突然求められる前に、普段の仕事の中で少しだけ苦手な領域へ踏み出しておく。それが、自分のできることを増やしていきます。
2. 手を挙げる
なぜ大切か:
慣れない相手や慣れない業務にも対応できるようになってくると、「新しいことをやってみる」こと自体が、自分の標準のマインドセットに変わっていきます。
そこで次に必要なのが、自分から挑戦を起こすことです。
人が成長するのは、挑戦して、時にはうまくいかず、そこから這い上がったり、周囲に助けてもらったりする過程だと思っています。
漫画でも映画でも、主人公が最初から最後までずっと順風満帆な物語は、あまりワクワクしません。
仕事も人生も同じです。挑戦する。失敗する。そこから学ぶ。そして、もう一度やってみる。その経験の中で、人は成長していくのだと思います。
どんな工夫が必要か:
- 社内で公募されているプロジェクトに手を挙げてみる
- 誰にも頼まれていない企画を自分から提案してみる
- 未経験の仕事を引き受けてみる
- 新しい部署や役割への異動を自分から希望してみる
ポイントは、「誰かに言われたからやる」のではなく、「自分から選ぶ」ことです。
準備が完璧になるのを待つ必要もありません。自分から手を挙げたという事実そのものが、その後の景色を変えていきます。
どう実践すると良いか(たとえ話):
マラソンに似ています。
「十分に走れるようになってから大会に申し込もう」と考えていると、いつまで経っても申し込めないかもしれません。
先にエントリーしてしまう。すると、「大会までに走れるようにならなければ」と練習が始まります。
挑戦も同じです。準備ができたから手を挙げるのではなく、先に手を挙げるから、自分の準備と成長が始まるのだと思います。
3. 環境を選ぶ
なぜ大切か:
環境が人を育てる、というのは私自身の実感です。
海外でさまざまな人たちと仕事をしていると、それを強く感じます。競争の厳しい環境や、経済的に厳しい家庭環境からキャリアを切り開き、大きな仕事を任され、さらに次の挑戦へ進んでいく人たちをたくさん見てきました。
もちろん、「海外が良くて、日本が悪い」という単純な話ではありません。日本には日本の良さがあります。
ただ、置かれた環境が人の考え方や行動、そして成長に大きな影響を与えることは間違いないと思います。
そこで気をつけたいのが、「うちの会社では無理だから」「上司がチャンスをくれないから」「この組織では変えられないから」と周囲のせいにするだけで終わってしまうことです。
会社のせいにできる状態そのものが、実はもう一つのコンフォートゾーンになってしまうこともあります。
どんな工夫が必要か:
本当に変わりたいのであれば、自分にとって「成長できる環境とは何か」をまず定義することです。
そのうえで、必要なら異動する。新しい役割に挑戦する。勤務地を変える。場合によっては転職する。日本を飛び出して海外で働くことも一つでしょう。
ただし、「隣の芝生が青く見えるから」という理由だけで環境を変えるのはおすすめしません。
- 自分は何を身につけたいのか
- どんな人たちと働きたいのか
- どんな修羅場を経験したいのか
- 3年後、どんな自分になりたいのか
こうした自分なりの基準を先に持つ。そのうえで、自分で環境を選びます。
自分で決めた選択なら、他人への言い訳が少なくなります。そして、その環境に本気で向き合えるようになります。
どう実践すると良いか(たとえ話):
山登りに近いかもしれません。
どの山に、何のために登るのかを決めずに歩き出すと、その場その場で見える道に流されてしまいます。
でも、先に「自分はこの山に登る」と決めていれば、途中がきつくても、自分で選んだ道だと思えます。
キャリアも同じです。環境を変えること自体を目的にするのではなく、「自分はどこを目指すのか」を決めてから、そのために必要な環境を選ぶことが大切です。
補足・具体例―私自身の「小さな反抗」と環境
私自身の話を少しだけご紹介します。
新卒1年目の頃、営業活動のための顧客リストを扱う仕事がありました。
当時はExcelを使った非常に地道な作業でしたが、「これ、もう少し効率よくできないかな?」と思い、部門ごとにタブを分けるなど、自分なりに工夫しました。
大改革ではありません。上司からも「いろいろ考えているね」くらいの反応だったと思います(笑)。言われた通りに仕事をしていないと思われる可能性もあったかもしれません。
でも、私にとってはこれが一つの「脱皮」でした。
そして、この小さな工夫が半年後につながります。
当時、セミナーが終わるたびに参加者リストをExcelに入力し直し、同じ方に重複してDMを送らないよう、目で一件ずつ確認していました。大きなセミナーの後には、徹夜になることさえありました。
そこでMicrosoft Accessを独学し、重複を自動的に照合して、顧客リストをすぐに作れる仕組みを作りました。
結果として、それが顧客データベースのようなものに発展し、入社2年目には社内で評価され、賞をいただくことにもつながりました。
でも、重要なのは「賞を取ったこと」ではありません。「与えられた仕事の中でも、自分で変化をつくれる」ということに気づいたことです。
そして、もう一つ、その背景にある経験があります。
私は決して裕福な学生ではありませんでした。大学時代は学費も生活費も自分で払う必要があり、一時期は6つのアルバイトを掛け持ちしていました。
狭い四畳半の部屋で暮らし、食費をどう抑えるかを考え、アルバイトの予定を組まなければ生活そのものが回らない。決して楽ではありませんでした。
でも今振り返ると、その環境だったからこそ、「今ある条件の中でどう工夫するか」を考える癖が身についたのだと思います。
社会人になって単調な仕事を任されたときにも、「つまらないから仕方ない」ではなく、「だったら自分で少し面白くできないか?」と考えられた。
環境そのものをすぐには変えられなくても、「環境への向き合い方」は変えることができます。
どんなに地味な仕事でも、「昨日と違うことを一つできないか?」と考えることはできます。そこに目を向けているかどうかで、その後の成長カーブは大きく変わるのだと思います。
明日からの一歩
コンフォートゾーンを抜けるというと、人生を大きく変えるような決断を想像するかもしれません。
でも、最初の一歩はもっと小さくていい。明日からできることを3つに絞ると、こんな形です。
- 1つだけ変える:今週の仕事の中で、いつものやり方を1つだけ変えてみる。順番でも、相手でも、資料の形でも構いません。
- 後回しをやめる:苦手でつい後回しにしている相手に、明日の午前中に1本だけ連絡してみる。
- 斜めに会う:直属の上司以外の方に、30分だけ話を聞く時間をもらってみる。
明日、仕事を始めたら一つだけ自分に問いかけてみてください。
「今日、いつもと違うことを一つやるとしたら何だろう?」
そんな小さな一歩で十分です。
コンフォートゾーンは、ある日突然大きく飛び出すものではありません。「できること」の境界線を毎日ほんの少しずつ外側へ動かしていく。
言い換えれば、コンフォートゾーンを捨てるのではなく、挑戦を繰り返しながら、自分のコンフォートゾーンそのものを少しずつ広げていく。その積み重ねが、数年後には大きな差になっているのだと思います。
おわりに
今の環境を大切に育てていくことも、変えにいくことも、どちらも正しい選択だと思っています。
今回お伝えしたかったのは、もし「変わりたい」と思っているなら、その入口は必ずしも転職ではなく、今日の仕事の中にあるということです。
いきなり大きく変わろうとしなくて大丈夫です。
まず、慣れていない領域に一歩だけはみ出す。次に、自分から手を挙げてみる。そのうえで、本当に必要になったときには、自分が成長できる環境そのものを自分で選ぶ。
人生を変えるのは、必ずしも大きな決断ではありません。小さな「いつもと違うこと」の積み重ねが、いつの間にか自分のコンフォートゾーンそのものを大きくしてくれるのだと思います。
まずは明日、いつものやり方を一つだけ変えてみてください。
今回の動画ダイジェスト版
そして、金田博之YouTubeチャンネルでは、毎回のオンライン勉強会で私がお話しした内容の30分程度のダイジェスト版を公開しています。
実際の勉強会では、この内容に加えてQ&Aや対話の時間もあり、より具体的な悩みを一緒にほどいていきます。こちらのリンク先から、今回の動画もぜひご覧ください。
▶ 今回の動画「仕事でコンフォートゾーンを抜け出しワンランク高い成果を生み出す方法!」:https://youtu.be/Ei3GJYMy7-Y?si=SeKCKCZKzo_myJ-1
▶ 金田博之YouTubeチャンネルはこちら:https://www.youtube.com/@hiroyukikaneda
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