クリステンセン氏「イノベーション・オブ・ライフ」から学ぶ3つのこと

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今回、そしてこの時期に私がオススメしたい書籍は、かの「イノベーションのジレンマ」でも有名なクレイトン・クリステンセン教授が亡くなる前の最終講義であった「イノベーション・オブ・ライフ」。経営学の理論を「個人の人生」で考えています。

この書籍から学んだ3つのことを紹介します。

では、はりきっていきましょう!

 

人生の動機付けと資源配分

 

軽く中身に触れてみると…
二要因理論(モチベーション理論)といい、人は衛生要因と動機付け要因によって仕事の満足と不満足を感じます。

例えば、自分のキャリアをデザインしていく上で、「自分の動機付け要因を満たせる仕事かどうか」を基準に据えることが大切。

そして、充実した人生を送るためには、自身の動機付けとなる要因を正確にとらえ、優先事項をもって判断し、その阻害要因である「衛生要因」に働きかけ改善すること。報酬、名声、権威は衛生要因であること。

家族や親しい友人との関係は人生の最も大きな幸せの拠り所の一つで、いかに適切な資源配分を行うか? 幸せを求めることは 、幸せにしてあげたいと思える人 、自分を犠牲にしてでも幸せにしてあげる価値があると思える人を探すことでもある。

こんな感じのことが書かれています。

英語版は「How will you measure your life?
日本語版はおそらくイノベーションのジレンマにあやかって題名付けされたと思います。だから奇抜な「イノベーション」を語ったものではなく、かなり私たちの日常に迫っています。

 

3つの学び

 

私の学びはこの3つです。

  • まず衛生要因について、自分はそれらを動機付け要因に考えていないか?
  • 仕事視点ではなく、人生視点で自分の貴重な資源を配分できているか
  • 目先のことにとらわれ、人生の投資を後回しにするリスクを作っていないか?

 

1. 私たちを動かすもの(衛生要因<動機付け要因)

 

まず、私たちを動かす「衛生要因」と「動機付け要因」を見極めることです。誘因(インセンティブ)と動機付け(モチベーション)という、二つの概念の関係性について私たちはかけ離れた考え方を持っています。

仕事には、少しでも欠ければ不満につながる要因がある。これを「衛生要因」と呼びます。ステータス、報酬、職の安定などがこれにあたります(「報酬」が衛生要因であることが特徴的です)。仕事に不満を感じないようにするには、満たされていない衛生要因に働きかけ、改善する必要があります。

しかし、私たちが最も陥りやすい間違いの一つは、それさえあれば幸せになれると信じて目に見えやすい証に執着することだと書籍では言及しています。こうしたものは、あなたが職業的に「成功した」ことを、友人や家族に示すしるしでしかありません。

この衛生要因に対比するのが「動機付け要因」です。動機付け要因には、やりがいのある仕事、他者による評価、責任、自己成長などが含まれます。

動機付け理論は、ふだん自分に問いかけないような問題について考えさせてくれよ、と私たちを諭しています。

  • この仕事は、自分にとって意味があるだろうか?
  • 成長する機会を与えてくれるだろうか?
  • 何か新しいことを学べるだろうか?
  • だれかに評価され、何かを成し遂げる機会を与えてくれるだろうか?
  • 責任を任されるだろうか?

これらがあなたを本当の意味で動機づける要因だと言っています。これを正しく理解すれば、仕事の数値化しやすい側面にそれほど意味を感じなくなるでしょう。

古いことわざに、「自分の愛することを仕事に選びなさい。そうすればあなたは一生のうち、一日も働く必要がなくなる」というものがあります。自分の仕事を心から愛せる人、有意義と思える仕事をしている人は、毎朝出社した瞬間から、はっきりと有利な立場にあります。

戦略の本質は、限られた資源の中から選択をすること、そして何をしないかを決めること。それは人生においても同様で、そのためにその都度自分の動機付け要因に立ち返りながら選択をしていくことが重要になってきます。

そんな人生の選択肢の中で、あなたの求める衛生要因と動機付け要因の両方を与えてくれる仕事がすでに見つかっているなら、目標を立てて愚直に実行・修正していくこが理にかなっています。

目標と現実のギャップに着目して打ち手となる戦略を考えていきます。予期されない機会に合わせて戦略を修正することは忘れて、意図的に設定した目標をどうやって達成するかに、思考を集中させるのです。

反面、こうした条件を満たすキャリアがまだ見つかっていない人は、道を切り開こうとする新興企業のように、創造的戦略をとる必要があります。

つまりは、人生で実験をせよということです。一つ一つの経験から学びつつ、戦略を修正していくことを素早く繰り返していくのです。

 

2. 自分が持てる資源を配分する

 

企業であれ人生であれ、実際の戦略は、限られた資源を何に費やすかという、日々の無数の決定から生まれます。一日一日を過ごしながら正しい方向に確実に向かうには、どうすればいいのだろう?

それには、自分の資源がどこに流れているかに注意を払うことです。

人生視点で物事を考えることで、仕事も含めてその選択肢や優先付けが変わってきます

実際、失敗した事業の根本原因を調べると、長期的成功をもたらす取り組みよりも、直ちに満足が得られるような取り組みに飛びつく傾向が、繰り返し見られます。そのため、長期戦略のカギとなる取り組みへの投資がおろそかにされがちなのです。

私たちはプライベートな時間や労力、能力、財力といった資源を持っていて、これを使ってそれぞれの人生でいくつもの「事業」を育てていきます。例えば伴侶や恋人と実り多い関係を築く、立派な子供を育てる、キャリアで成功するといったことです。

戦略は、企業戦略であれ人生戦略であれ、時間や労力、お金をどのように費やすかという日々の無数の決定を通して、自分にとって本当に大切なのはこういうことだと、公に宣言したしているのです。人生に明確な目的と戦略を持つことは大切ですが、自分の持てる資源を、戦略にふさわしい方法で投資しない限り、何にもならないのです。

 

3. 人生の投資を後回しにしない

 

クリステンセン氏は、目先のことにとらわれ「人生の投資を後回しにするリスクを作っていないか?を問題提起しています。

達成動機の高い人たちが陥りやすい危険は、いますぐ目に見える成果を生む活動に、無意識のうちに資源を配分してしまうこと。だが実のところ、あなたが望み通りの人生を送れるか、意図したものとはかけ離れた人生を送るかは、自分の資源をどのように配分するかによって決まるのです。

クリステンセン氏の経験から言って、達成動機の高い人たちは、仕事でこうなりたいと思う自分になることに没頭して、家庭でなりたい自分になることを疎かにしがちです。立派な子供を育て、伴侶との愛を深めることに時間と労力をかけても、成功したという確証が得られるのは、何年も先のことです。その結果、キャリアに投資するあまり、家族には十分な投資をしなくなる。そうして人生の大切な部分から、花開くために必要な資源機会を奪っているのです。

この本が胸に迫るのは、クリステンセン氏がガンを煩い、死に直面してから書いた点にあります。

人生の中の家族という領域に資源を投資したほうが、長い目で見ればはるかに大きな見返りが得られることを、いつも肝に銘じなくてはなりません。仕事をすれば確かに充実感は得られます。しかし、家族や親しい友人と育む親密な関係が与えてくれる、ゆるぎな幸せに比べれば、何とも色あせて見えるのです。

 

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
(Clayton M. Christensen 著、James Allworth著、Karen Dillon著)

本書は『イノベーションのジレンマ』をはじめ、多数の名著を著した技術経営の大家クレイトン・クリステンセンが、これまで自身が教えてきた経営戦略を人生訓に落としこんで語る一冊です。2007年に心臓発作、そして2年後にガン(悪性腫瘍)、さらに2010年には脳卒中で倒れたクリステンセン教授。戦略論や経営学の分野では最高峰にある教授が、抗がん剤と戦って髪が抜け落ちた体に鞭打ち、最後の授業で何を伝えたかったのか。本書のもととなった「HOW WILL YOU MEASURE YOUR LIFE ?」(HBSに掲載された論文)は、HBS史上最多のダウンロード数を獲得しています。(Amazonより)

 

私が個人的にこの書籍から学んだのはこの一言です。

これからどんな経験や問題を習得し、克服していけば、成功するCEOになる素養と能力を備えた人材になれるだろうか?

仕事を選ぶ際には必ず「この仕事は、私が将来立ち向かう必要のある経験をさせてくれるだろうか?」を考えることにしています。

固い内容に思えますが、しっかりとした理論は私たちに的確な判断基準を与えてくれます。実際、読みやすいですし、読んでとにかく感動しました。一度だけでなく何度も読み返す「重読」をオススメします。関連情報はこちらです。

 

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