組織の役員アポ率を0.3%から3ヶ月で57.1%に向上させた秘訣とノート術

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久々に運転しました。とても快適でした。

長野の妻の実家は蓼科へ車で20分。毎日のように自然に囲まれ、空いた時間は散歩をしたり、森林に囲まれたカフェで読書をしたり、目の前に動き(揺らぎ)があるリラックスしました。

 

今日のテーマ

今回はこちらのコラムの続編です。(こちらを先に読むと話が繋がります)

「学問に王道なし」とよく言われますが、私は学問には「王道が存在する」と考えています。未来の自分がチャンスを掴むことができるのか?あるいは、できないのか?

この違いは、効率がよい王道的な勉強方法を知っているのか、知らないのかの違いだけです。今回は、「自分を変える」「チャンスを呼び込む」「人生を変える」ノート術の一例を紹介します。

このブログでは、私が一流グローバルエリートから学び日々実践しているノート&メモ活用術を紹介しています。出版累計10冊、グローバルトップタレント7年連続、外資系/日系両マネジメント経験を持つ著者であり現役ビジネスパーソンである私が「29歳の人生戦略ノート」から15年以上毎日書き続けた「自分を変える」「チャンスを呼び込む」「人生を変える」実践ノウハウを公開しています。

このブログに初めて訪ねられたなら、こちらで私のブログの全体像と活用法を説明してます。読者に有益なブログになるように工夫を凝らしているのでぜひ覗いてみてください。

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また、私のメルマガ「出世したサラリーマンが絶対やらなかったこと」は、30歳から大きく出世してきた人達の失敗談をベースに、より多様な働き方へのニーズに対して、より多くの方のビジネススタイルにフィットした内容をお届けしています。まぐまぐ大賞を2017年、2018年に続き2019年も受賞いたしました。キャリアアップ部門で第1位です。

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私のオンラインサロンも20年以上、グローバルを舞台に苦労や成長を重ねてきた私の経験を惜しみなく社外にも還元すること。そして、「グローバルで活躍できる日本人を育成する」、さらには「現場から、日本を今よりも元気にする」ことを目的に5年前に「草の根活動」で開始した「金田博之オンラインサロン(略称:金田サロン)」ですが、経験を重ねその内容を充実させてきました。

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「ノートに書きとめる」というありふれた簡単な行動にこそ、「日々の気づきをどうやって次の行動へとつなげていくのか」というノウハウを蓄積させることができる。

いわばビジネスパーソンを大きく成長させるための要素がつまっているのです。

 

「1日1つ」の成功体験の共有でチームの営業成果が格段に向上

 

私が営業部長に昇進した30歳の時。2006年の時でした。

ある新営業組織の立ち上げを任されました。

新営業組織なので、実績ナシ、顧客ナシ、案件ナシ、からのスタートです。当時の私は部下を持つ経験がなかったため、チームの能力向上に相当苦労しました。そもそも、当時の営業組織はメンバーが入社3年目の若手8名。それぞれ別の営業組織から私が新しく立ち上げる営業組織に異動 、という形でした。

キックオフ(決起式)のメンバーの顔はとても暗い顔でした。

なんせ、入社3年目でいきなり花形営業組織から左遷され、(実際、売れなかったからここに配属になった)成果が全くない新規営業組織の立ち上げに入ることになったとみんな思ってましたから、、

しかも、当時の営業部長の平均年齢から考えても私はあまりにも若く、メンバーには「この上司大丈夫?」と不安に思わせていたはずです。

当時の各自の上司は40歳以上ばかりでした。

実際、「私の上司って金田さんでしたっけ?」と言われたことがあったくらいでした。

部長就任の2日目にメンバー全員と懇親会を企画し、その飲みの場で酔っ払った部下にそう言われました。

超ショックでした。

間違いなく「この上司、頼りない」と思われたのでしょう。

私は私で、各自に対して正直、営業としての経験が少なく

これでこの組織は数字が作れるのか?

ととても不安な毎日が続きました。

さて、そんな中、とにかく組織として「何かインパクトのある実績」を「短期間で作る」ことを考えました。

そこでチャレンジしたのが「役員アポに挑戦」でした。

営業として、 商談先の意思決定者 に会うことは勝率向上につながります 。( 商談期間を短縮でき、契約金額も大きい )

当然、役員のアポを取り付けるなんて当時の若手には相当の至難の技。

しかも、顧客がない組織でしたからいきなり会社の代表電話に電話し自分が何者かを伝え、受付・秘書を突破して、役員にコンタクトするしか方法がありませんでした。

実際に、開始して架電→アポ取得の成功率は0.3% でした。(しかもたまたまうまくいっただけ)

そんなの誰も経験したことがない。

むしろ不安を掻き立てるだけでした。

そこで、考案したのが「What’s New Today」という情報共有の仕組みでした。

これは、私が29歳の時に副社長補佐に就任したときから始めた、私のノート術をヒントに考えました

やることはとてもシンプルで「今日一日、どんなことでもよいからうまくいったと思うことを一人一つ共有する 」でした。

今日一日で得た何か?(小さな成功体験)」= 「What’s New Today ?」です。

具体的には、毎日夕方5時に開催する営業会議でメンバー全員が集まり、成功体験を発表。

 

例えば、「いつもよりも早く会社に行き、顧客役員に電話をしたらつながった」

← 秘書が不在だったからブロックされなかった

「ただ闇雲に電話をするのではなく事前に会社の課題をウェブで調べる」

→ 事前準備が成功率向上につながる

「何か一つ、提案したい内容の効果を数字で伝えたら役員が聞いてくれた」

→ 役員への提案は「数字を訴求」するとよい

といった要領です。

 

部内で管理するエクセルに各自の成功体験を一行ずつ書き込んでいきます。

これを毎日繰り返していくと成功率0.3%が

・1ヶ月目: 8.5%

・2ヶ月目: 36.8%

・3ヶ月目: 57.1%

と大幅に向上したのです。

 

当時の 他営業組織では到底実現できない レベルにまでこの若手組織が成長。

結果、

・ 他組織から 役員アポの依頼が入り出し

・当時の上司や先輩から若手が褒められ

・メンバー全員の自信につながり

・各自が顧客を獲得(全て新規)

・最終的に初年度の数字目標を250%達成

しました。

 

私自身は、外部企業からの講演依頼が殺到し、当時様々なセミナーで講演することになりました。私が30歳の時(今から12年前)です。

 

組織は急速に発展し、

1年目:8名

2年目:18名

3年目:42名 へと成長 しました。

 

しかも、3年目は当時採用された新卒21名が全員私の組織に配属になりました。

42名に組織が発展すると当然私一人ではカバーできません。

当初から私を信じてついてきてくれたメンバーのうち 2名を営業部長に昇進 私自身はその後、部長就任の2年後に本部長に昇進 しました。

 

1年間でこんな効果が:設立メンバー10名による効果

 

その後、2名が参加し組織発足1年目で売上目標の250%を達成しました。

翌年から売上目標を

2年目: 150%達成

3年目: 130%達成

と毎年目標数字が大きくなっていく中、圧倒的な成果をメンバー全員と遂げてきました。

 

案件創出活動取り組み例:CxOダイレクトアプローチ

 

なぜ、こんな成果を出すことができたか?

役員アポの例で説明すると、それは当時のメンバーの

・架電数が1日30件

・その中から成功体験を一つ共有し1日10個の成功体験を蓄積(10名分×1日=10個)

・それを1週間続けると1週間50個の成功体験を蓄積(10個 ×5日=50個)

・それを1ヶ月目続けると1ヶ月200個の成功体験を蓄積(50個×4週=200個)

・それを1年間続けると1年間2,400個の成功体験を蓄積(200×12ヶ月=2,400個)

 

2年目

・2年目はメンバーが18名に増え1年間の成功体験は4,320に増加

・1年目との合計で6,720個へ(4,320+2,400=6,720個)

 

3年目

・3年目はメンバーが42名に増え

・1年間の成功体験は10,080に増加

過去2年分との合計で16,800個へ(6,720+10,080=16,800個)10,000を超える営業ノウハウを組織内に蓄積してきたのです。

当然、新しく組織に加入する新人に対する教育効果も相当でした。(立ち上がりが早い)

地道な活動ですが、その蓄積が圧倒的かつ確実な成長に導くのです。

その蓄積から新入社員向けマニュアルや、各種教育資料も蓄積していきました。

こちらは私が2008年当時(32歳)に作成した新入社員向けガイドブックです。

 

組織は勢いよく発展し、当時のSAPグローバル従業員満足度調査で上位にランクインしたくらいです。

 

この成功の背景にある私のノート術「成長日記」

 

私は29歳のとき、副社長補佐という立場に就任し、今まで耳にしたこともないような経営の話や 難易度の高い課題と接する機会が増えました。

こういった 自分の成長に必要な「オイシイ話」を、ひとつでも多く自分のものにしたいと思い、スタートさせたのがノート術 です。

ノート術といってしまうと、難しいのではないかと身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全くありません。

とてもシンプルかつ簡単なものです。

ご安心ください。

 

それは、「一行日記」です。

そして、「小さな成功体験(ミニサクセスストーリー) 」をノートに一日一行書き込んでいくのです。

「成功なんて自分にはない」と思うあなた。

「小さな成功体験」だったら1日必ず何らかあるはずです。

やり方は簡単です。

– 今日一日であなたが感じたミニサクセスを1行記入

– それがなぜできたか?を「←(矢印)」で補足説明

– その中で次もできそうなことに下線 (⇒実践)

これだけです。

 

「成長日記」の具体例 (実物ノート)

 

詳しいノートへの記述方法については、後で順をおって紹介していきますね。

 

例えば、2012年6月18日当時(37歳)に上司とのミーティングがあり、そこで怒られた時の体験談です。

「上司からの怒られ方」で小さな成功体験 を得ました。

それは、あるうまくいかない案件を上司に報告した時のことでした。その対策をいくつか用意して臨んだのです。これまではただなすがままに上司に怒られてきた。

しかし、「どうせ怒られるならもっと賢く怒られる」ことの重要さに気づくことができたのです。仕事で上に立つほど、その分上司からプレッシャーをかけられることが増えて、怒られることも増えてくるのです。(悲しいけど…)

「怒られ慣れておく」ということは自分にとって上に立つために欠かせないことと気づきました 。

まずノートの1行目に「上司に怒られ慣れておく」と書きます。

その重要さに気づいた私の小さな成功体験をノートに記録 しました。

そして、どうやって賢く怒られるか?

そこで 2行目に矢印をして、どういったアクションをとるべきかを一行で書きます。

ここでは、「 →常に、バックアップ案を用意して望む 」です。

※これは、あくまでの私の場合です。皆さんそれぞれ状況や立場、受け止め方も違うので、ここでご紹介している内容は一例として参考程度にご活用ください。

仕事を進める上で物事がうまくいかないこと、想定外の出来事があります。そこで重要なのは常にうまくいかないことを想定してそのバックアップ案を用意しておくことです。

このことに気づくまでの私はそれができていなかったので、想定外が起きた時にすぐに対策が打てなかった。だから上司に怒られたのです。

でも、今回は違った。(小さな成功体験)

ここではさらに、こんなことをノートに書いています。

→うまくいかない時の対策

→worst、real、bestの3つを常に想定

 

これは、「うまくかないときの対策」として

– worst (最悪のケース)

– real (現実的なケース)

– best (最高のケース)

の「3つ」を常に想定しておくこと。

 

こうして、私は 計画の際はこの3つのシナリオを常に想定できるようになりました。このように、自分が次にとるべきノウハウに落とし込んでいます。

これは、私の一例ですが、あなたにおいても一行日記を続けることでこうしたあなた独自のノウハウが蓄積されていきます。

例えば、こうして蓄積できた私の「仕事が早くなる技術」はこんな内容です。

この内容をどっかの本で学んで一気に書き込んだのではなく(すると頭に入りません)、

一行一行が、私の経験と成功体験の蓄積 です。だから、いつでも「再現」できて、仕事が日増しに早くなっていくのです。この繰り返しが「What’s New Today」と同様の効果 をもたらしてくれるのです。

ちなみに「上司に怒られ慣れておく」に関連してこちらのノート術コラムもご参考までに!

よい上司/イヤな上司を自分の「成長の原資」にする一番の方法

 

成長日記を続けることで「目に見えて」自分の成長を確認

先ほど一行日記といいましたが、私は「成長日記」と呼んで、15年以上続けています。

ノートに成長日記(=一行日記)を蓄積して、それを振り返ると「目に見えて」自分の成長を確認 することができます。

ノートを使って小さな成功要因を整理する分には誰にも気兼ねする必要はありません。これを1年でも、10年でも継続していくと、相当なミニサクセスストーリーを蓄積でき、それを再現できるようになります。

日に日に、仕事の生産性が上がり、自分がやれる仕事のスケールが大きくなっていくのです。

1日1つ、 小さな成功体験をノートに記録し、 継続すること。

それはとてつもないあなたの財産です。

 

このコラムの続きはこちらです。

私のノート術については、以下のリンク先にこれからも更新していきます。

私のノート術特集

 

 

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