コリン・パウエルの13ヶ条のルールをご存じでしょうか?
パウエル氏(1937年~)はアメリカの政治家。いや軍事家といったほうがよいかもしれません。世界で最も尊敬されるアメリカ人と呼ばれています。
今日は、コリン・パウエルの13カ条を仕事における戒律に応用して考えてみたいと思います。
パウエル氏の13カ条
コリン・パウエル氏は、政治家としての最高位はブッシュ政権第1期目の国務長官。アメリカ軍のトップである統合参謀本部議長(1989-1993)として、パナマ侵攻や湾岸戦争を指揮。湾岸戦争の英雄と称された方です。2016年の大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏を「国家の恥」と呼んでいたことで話題にもなりました。
非常にためになるので、このブログに書き残しておこうと思います。
では、具体的にパウエル氏の13カ条を紹介します。
コリン・パウエルのルール (自戒13ヶ条)
- 何事も思っているほどは悪くない。 朝になれば状況はよくなっている
- まず怒れ、そして その怒りを乗り越えよ
- 自分の地位とエゴを同化させてはいけない。 さもないと、立場が悪くなったとき、自分も一緒に落ちてしまう
- やればできるはずだ
- 選択には細心の注意を払え。それが現実になるかもしれない
- 良い決断をしたら、それをくじくような事実にもくじけてはならない
- 誰かのかわりに選択することはできない。 誰かに自分の選択をさせるべきではない
- 小さいことをチェックせよ
- 手柄を独り占めするな
- つねに冷静に、かつ親切であれ
- ビジョンをもち、自分に対してより多くを求めよ
- 恐怖心にかられて悲観論者の言うことに耳を傾けてはいけない
- つねに楽観的であれば、力は何倍にもなる
そんなパウエル氏の本
Click➡︎マイ・アメリカン・ジャーニー“コリン・パウエル自伝”―少年・軍人時代編 (角川文庫)は古い本ですが、お勧めですよ。
著書では「戦争とは命懸けのゲーム」と警鐘を鳴らしています。ベトナム戦争への従軍など悲惨な戦争を体験し、平和を心から求めている彼だからこそ、様々な判断の局面があり、そして自身に様々なことを律してきたと思います。
この13ヵ条はパウエル氏が物事を判断し、決定する際に自分に課したルールです。
パウエル氏の13カ条から私が課しているルール
パウエル氏の13カ条から私が課しているルールについてまとめます。
今回は5つをピックアップしてみました。
何事も思っているほどは悪くない
まず、「1. 何事も思っているほどは悪くない。 朝になれば状況はよくなっている」です。
今のように会社を経営する立場になってから、毎日のように課題やトラブルが続きます(もちろん会社が成長しているので良いことも)。
そんな時に、自分自身が困ったことにクヨクヨしていたらとても仕事が回りません。事実、これだけ悩みが多い環境において、眠れないくらいに悩んだ翌日にその悩みが思ったほどのことではなかったこともたくさんありました。
自分の地位とエゴを同化させてはいけない
そして、「3. 自分の地位とエゴを同化させてはいけない。 さもないと、立場が悪くなったとき、自分も一緒に落ちてしまう」です。
「自分の今の地位がなくなった時に、社員や周囲の友人は私をどう扱うだろう?」と考えることがあります。まして、自分の地位にあぐらをかき、周囲に反感や嫉妬をかった後は誰も自分を相手にしなくなるでしょう。
決して奢りを持たず、謙虚に行動すること。「自分の地位ではなく、自分の責任と行動で自分の価値や評価を認めてもらう」ことを普段から心がけています。
手柄を独り占めするな
次に、「9. 手柄を独り占めするな」です。
これは何かの実績が出た時にかなり意識して心がけていることです。
具体的には「その手柄を誰の協力で得られたか?」、「誰が貢献してくれたか?」、「誰がいなかったらその成果は果たせなかったか?」といった視点で、成果が出た時に必ず一人一人を感謝するようにしています。
今では、会社の経営者として、社内メールや全体会議で必ず一人一人の貢献をハイライトし、関係者に感謝をするようにしています。
つねに冷静に、かつ親切であれ
次に、「10. つねに冷静に、かつ親切であれ」です。
これは2つの文脈が自分にはあります。
まず「うまくいっていない時」。
常に事実に立ち返り、問題の根本原因に迫り、対処療法的な対策ではなく問題の再発をなくすことを心がけています。これが私が考える「冷静になる」ということです。そして、一人ではその課題解決はできません。課題のレベルに応じて多くの人を巻き込んでいかなければならなくなる中、それぞれは必ずしても建設的ではないことも多いです。だからこそ一つ一つの発言や依頼、そして感謝の気持ちなどに親切に接することを心がけています。
もう一つは「うまくいっている時」です。
つい舞い上がって気が抜けること、さらには組織内に緊張感がなくなります。そうした中だからこそ冷静に、物事が今後も順調に進むかをリーダーとして意識的に把握するようにしています。
一方で、うまくいっている時こそ、関係者の成功体験を分析し、それを再現できるチャンスでもあります。親身に関係者に接し、それを機会に組織力を更に向上させていく行動を自らとっていくようにしています。
つねに楽観的であれば、力は何倍にもなる
最後に、「13. つねに楽観的であれば、力は何倍にもなる」です。
先ほど触れましたが、責任が上がるほどに課題やトラブルに悩まされることが増えてきます。1にも関連しますが、そんな中で悲観的でいたら行動は控えめになり、思い切った判断ができなくなります。むしろ、「やるだけやったから当たって砕けろ」の精神で、楽観的になることも大事な能力だと考えます。そうすることによって、自分自身、そして組織は何倍にも強くなることを実感します。
そして、普段課題やトラブルがない状況においても、楽観的に物事を考えることも重要です。それにより、固定概念にとらわれず、むしろ創造的な発想で仕事に取り組むことができるようになるのです。リーダーが楽観的な状態は、組織の発想を創造的にします。普段不安を抱えるリーダー、そして組織でいるよりもはるかに発展的な状態になりますよ。
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