グローバル企業CEOとの商談を盛り上げる3つのポイント

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本日お送りしたいテーマは「グローバル企業CEOとの商談を盛り上げる3つのポイント」、です。今日も自分独自の実体験をベースに3分程度で読める内容にまとめました。では、はりきっていきましょう!

今週のサンフランシスコ出張。アメリカのサンフランシスコにある「10年後に〇〇市場を破壊する革新的企業」と呼ばれているあるグローバル企業のCEO(代表経営責任者: 社長)とVP(Vice President: 副社長)クラスおよび事業責任者に対して、ある協業事業展開の商談プレゼンをしたときのことです。

事前に部下が作った資料(英語ベース)をレビューしていて「これは打ち合わせにそのまま使えない」と思いました。

なぜなら、「先方のCEOが知りたいこと、話したいこと」が全くその資料に反映されていなかったからです。あと、日本人が書く英語に特有なのですが、表現がまどろっこしい。すぱっとキーワードで射貫けばいいのに、余分な形容詞や助詞が入ってくる。だから、シャープに論点が見えてこない。そのため、ストーリーと中身のどちらを見ても、とても相手がこの商談に乗ってくる内容ではありませんでした。下手すると、最初の15分くらいで離席され、彼の部下に話を引き継いで終わり。こうなると、それより大きなスケールでの話にしていくことは困難です。

そんな大げさな、って思うかもしれませんが、グローバルレベルで世の中を変えようとしているCEOはその分社会的なプレッシャーが大きく、そして忙しいし、この手の話なら嫌という程聞いてきてるんです。例えばFacebookのザッカーバーグ氏と会うときに1時間ダラダラ話すことはないし、こっちなりに一生懸命考えてきた話でも5分、いや3分で決まります。実際お会いしたときにそう感じたので。

こうしたトップとの打ち合わせで「資料を作成する前」に抑えておきたいポイントが大きく3つあります。

ストーリーラインをまず考える

その時に「今回会う相手がまず何を聞きたいかわかる? 順番に3つ言ってみて」とまずは部下に質問をしました。でも、資料を作っている本人から歯切れのよい答えが出てこなかったのです。
資料作成に入る前に「相手がまず何を聞きたいか」を考えること。この段階では、パソコンを使って資料を作り始めるのは控えましょう。むしろ、まずは頭の中でよく考え、ノートを使って相手が聞きたい・関心があるであろう内容を上から順番に箇条書きで整理します。それが本来資料になるべきストーリーラインです。いきなり資料作成に入ると、内容が各論なってしまい、資料作成が「作業」になってしまいます
「そんなの分かってるよ」っていう人、彼と同じ状況になったときに本当にできるか? 彼と同じようにレビューしたらたくさんの盲点が出てくると思います。それができていたら相当なものです。

数字のインパクトを頭にもっていく

そのうえで、相手がまず知りたい内容は何か?
それは「数字」です。経営者はどんな斬新な内容を説明してもその裏付けがないと話に乗ってきません。だから、数字。
今回の資料作成にあたって、先方が興味を持つ内容の数字を今一度洗い出しました。例えば市場規模、事業内取引額、顧客増加見込み等。うちとの取引金額とかは後回しでいいんです。あくまで相手視点で考えたときに相手が知りたい数字は何か?です。この質問に答えられないと、相手の関心を引き出すことはできません。数字を出すことで、質問が出始めます。
これらを冒頭に伝えることで、相手の心をつかむのです。

全体像を示す

そして、議論が各論に行く前に提案(今回の私の例は協業事業展開案)の全体像を示すのです。全体像を示すことで、議論が様々な方向に「展開」します。結果、話が「発展」します。
その際に重要なのは、「顧客視点」でその全体像をまとめること。よくある資料は、自分目線・自社目線で提案を書いて相手のメリットがほとんど訴求されていないのですが、「顧客の声」「顧客の反応」といった「顧客への価値」を目線にして提案の全体像をまとめることが重要です。
すると「ここがこうなるとうちはどうなるの?」「うちの取引先の◯◯社はどうなるの?」という発展的な質問が出始め、議論が始まります。議論が引き出せれば商談は確実に盛り上がります。

細部の詰めも忘れずに

ここまでが重要な3つのポイントです。でも、それだけでは打ち合わせがふわっとしかねません。具体的に次のステップに落とし込むように「合意を取り付けること」が重要です。
そのためには、結構マニアックでも細かいことにも触れることです。誤解ないといいですが、日本企業の偉い人と違って、グローバル企業のトップはメチャメチャ細かい。「その細かい話は下が対応するので」という現場丸投げな発言はほとんどありません。逆に、細かい議論ができないとすぐに相手から「見極め」られます。
そして、先方に依頼したい要件をなるべく具体的にまとめることです。例えば、足りない機能(開発依頼)、技術要件(投資依頼)、無駄なプロセス(改善依頼)、アサインしてほしい人材(リソース依頼)など。ただし、冒頭でここから話を持ち出しちゃダメです。前半にバリューが伝わってないと、相手は何のための話かわからず、判断ができず、事務的に扱われて終わりです。

もちろんこの3つをこなせば確実に成功するわけではありませんが、この3つがなかったらそもそもの土俵に立てません。

資料を作成した本人には一生懸命にやっているのですが、残念ながら目線が経営者向けでなく事務的でした。決してレベルが低かった訳ではない。でも、今回は相手が違ったのです。この3つのポイントがなくいきなり資料作成に取り掛かっちゃうと、それはただの資料作成作業。資料は仕上がっても、次に会うことは相当容易ではないでしょう。

当然ですが、こんな直前で部下に対して「何をやってたんだ!」と怒るものではなく、やっても本番で真っ白になるだけ。こういう時は一番教育効果が出るとき。だから、この3点を部下に質問しながら考えてもらいました。いわゆるコーチングですね。そして、その内容を上司として現場の本番でプレゼンして示す。これは結構なプレッシャーです。相手だけでなく、部下も見てるんですから。即興でも、その効果を目の当たりにした部下は相当景色が脳裏に残ったようで、後でこの3点を一緒に振り返りました。

本番では急遽ホワイトボードを使って動的なプレゼンをし、後半は部下が作ってくれた資料を使うことにしました。勝負は前半の30分です。さらにいうとその前半の15分(つかみ)、中盤の15分(議論のきっかけ作り)。そこから残りの30分(合意の取り付け、意思決定の引き出し等)と。

結果的には、本来1時間だった打ち合わせが、2時間半になりました。そもそもこのCEOは当然忙しく、私以外に多くの重役が来社されます。普段の彼は30分で打ち合わせが終わることが多いと聞くのを考えると、大成功です。もちろん、次のステップにつながっています。

この会議の後、先方から「また会おう!」と言われました。それはアメリカや日本問わず、お互いいろんな国に行きますから、どこででも。

こうしたトップとの打ち合わせや商談をうまくまとめていくのは、相当の場数と経験が必要ですし、これを英語でやるのはさらにハードルが高いでしょうが、ぜひ身につけておきたいですね。まずはこの3点。そしてそこに絞って英語の言い回しを磨き込むのです。

ちなみに、私は世界中の気になる企業の代表電話や問い合わせページ(Contact Us)からいきなりコンタクトをして、しかもトップ層にアポを取り付けて今回のような会社に訪問していくのですが、そこでのポイントもこの3つと大きく変わりません。ただし、これはこれでさらに要領が必要で、また何かの機会にこのブログで共有していきますが、この3年間で200社強に蓄積しています。

こうした訓練を普段からしておくことで間違いなく、新しい事業、新しいモデルをグローバルレベルで創造することができる人材に進化していくでしょう。私においては、こうした部下を今回のようにハンズオンで育成することも重要なことでした。今回の彼の今後がとても楽しみです。

 

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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!

お互い切磋琢磨していきましょう。

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サンフランシスコ弾丸出張日記 〜ナパバレーからグローバルCEOとの商談まで〜

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