アメリカ出張日記〜テネシー州ノックスビルの濃厚な2日間〜

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今回はテネシー州ノックスビルに行ってきました。2週間前にアメリカ(サンフランシスコ、デトロイト、シカゴ)に行ったばかりなので、今回はちょっと疲れが残っていました 汗 (前回の出張日記はこちら)

現地に到着したのは日曜の夜23時。次の日に本番を控えているのであまりムリはできず…とはいえ、やっぱりビールは飲みたい!そしてお腹も空いたので、何とか遅い時間に空いているレストランを見つけ、日本から同行してくれた日本人メンバーと空腹を満たしました。

そして月曜は本番!

今回、ある提案プレゼンテーションとデモンストレーションの事前の段取りと本番をリードしました。自分の会社からはアメリカ人が3名と日本人が私含む2名。お客様はアメリカ人4名でした。

 

アメリカ人との打ち合わせは「最近どうよ」から

朝一に北米ミシガン州、イリノイ州の各地域からアメリカ人メンバー(弊社北米法人メンバー、副社長含む)が3名合流し、午後一のある提案プレゼンの段取りをすり合わせました(@ヒルトンホテルのロビー)。

すり合わせといってもいきなり本題に行かないんです。カジュアルに「最近どうよ」的な会話を行います。しかもそれが結構長い・・・汗 (感覚的には10分以上)。

慣れない日本人はここですこしイライラするかも 笑)でもアメリカっていきなり本題に入らずに、まずはリラックスするんです。その方が「結果的に集中できる」んです。

そして、いきなりスイッチが入り本題に入る。この流れの作り方を知っているかどうかって結構大きいです。何というか、何とも言えない「リズム」というものがあり、これがずれると「本番の連携(チームワーク)」がずれてくるんです。

こればかりは経験の問題になるのですが、グローバルで大きな仕事がしたい人向けに、いつかセミナー等でお話する機会があればと思います。そう、英語が話せるだけではダメ。知っておくと・慣れておくとグローバルビジネスでかなり強力なスキルになります。

 

日本とアメリカの混成チーム、詰めの甘さがゲームの勝敗を決める

そこからは様々な状況を想定して綿密に段取りを詰めていきます。この流れを仕切っていきました。でも、私のこの詰めが甘かったのです。

ここの仕切りが甘かったら、本番でトンチンカンなことが内輪から出始めます。すると、本題とは違う話題で話が盛り上がってしまう。。一度言ってしまったことは取り戻せないのでうまく体裁を保ちつつ軌道修正をしようとするだけで時間がかかります。なかなか本題にいかずに焦る気持ちもありました。

しかもアメリカ人は一般的に出しゃばり。もしここで英語が離せなかったら、当然、ゲームはどんどんとアメリカ人同士で進んで、日本人は取り残されてしまいます。それを日本人の私がまとめていたわけです。しかもアメリカ現地で。

では、結局何を詰めなければならないのか?

 

「役割」と「ミッション」を瞬時に割り当てられるか?

それは、打ち合わせの場で話を詰めながら「役割とミッション」をそれぞれに的確に割り振っていくことです。

例えば

  • 相手からこう反応があったら営業のJasonがこう対応
  • 相手が前のめりになってきたら現地責任者のMikeがこの一言を伝える
  • 自分はそのために自分のデモを確実に成功させる
  • もし過去の取引状況の話になったらMicheleがこう対応する(取引データの確認)

といった要領です。

これはとても重要なことです。話すと長くなるので細かいことは言いませんが、アメリカ人は日本人以上に「役割」と「ミッション」を重要視します。だから、この詰めを誤ると内部の動きにカブリが出てきます。それをお互いに補おうとすると余計に話が良からぬ方向に行ってしまうのです。逆に、アメリカ人は役割とミッションを明確にするとメチャメチャいい働きをしてくれる。

アメリカは大陸をベースに営業活動をしているので、必ずしもオフィスでお互い顔を合わせながら仕事をしているとは限りません。今回のメンバーもそうしたSOHO(自宅勤務)だって当たり前。つまり、今まで会ったことがない人と現地でパッと会って、すぐにその場で段取りをして顧客訪問、ということがしょっちゅうあります。

だから口で言うと簡単に聞こえますが、これが結構難しい。でも、アメリカでこうした打ち合わせをやる時は絶対意識しておきたい点です。

 

緊張感いっぱいの本番。一発で◯◯◯億円が消えるプレッシャー

さらっと書いていますが、この一発の事前段取り、一発のプレゼンが生み出す事業規模は◯◯◯億円規模で、結構、やってる本人(私)からするとハラハラしちゃっているわけです。

今回の出張の仕切り次第で、これまでの事前の準備が一発でナシになるリスクだってあります。でも、それを表情で見せちゃうと、内側のメンバーにプレッシャーを与えてしまうことになります。だから表向きは楽しむ。ハラハラ顔は見せない。だってチームワークがぶれると困っちゃうわけですから 笑)

結構度胸がいるわけです。まして、今回の提案は私の新規事業が柱にあるので他人依存なんてできません。日本に残してきた自分の部下と築いてきたことをまた降り出しに戻さないためにも。以前、これの部下版みたいなコラム(課長の壁・部長の壁・英語の壁)を書いたことがありますが、今回はこの自分版。極端な話、この一発で自分の首が飛ぶ可能性が高まるだけです。

本番については割愛しますが、1時間半の緊張感いっぱいの場でした。

トップバッターとセカンドバッターはアメリカ人。メインとトリのプレゼンおよびデモンストレーションは自分でした。デモが予定通りにいかないこと、想定外の質問がくることなんて当たり前。それを言葉の壁があるからってアメリカ人同士が話し出したら終わり。日本人ってこういう白熱したやりとりの時は言葉のスピードについていけないから「蚊帳の外」になることって多いんです。

だけど、日本の国旗をしょってメチャメチャ踏ん張って、とにかく議論をリードしていきました。この商談・提案、ミスったらスッキリした顔で日本に帰れません。そんなこと(社内)も脳裏にチラつかせながらとにかく外を向いてお客様と向き合っていきました。

提案プレゼン終わり!
結果的に、今回はいろいろと課題が残った1日でした。中身は言えないですが、あえて言うとしたら自分の読みが甘かったことです。でも新規事業。そんなに毎回うまく行くことなんてない。反省は大きいですが、また一つ大きく自分自身が成長できると思います。

その後の夕食は、がっつりとステーキを食べました。もう1人の日本人のメンバーととことん語りました。今回の内容に限らず、仕事のことや、キャリアのことなど、たくさんの質問や相談をもらいました。お疲れ会というよりも、明日からの挽回のため。1日余分に現地滞在を決めていたのですが、疲れなんて吹っ飛ばしてまずはエネルギーをチャージしないと。とはいえ、テネシーといえばウイスキーということでグイッと。それはね、正直、当日上手くいかなかったことの悔しさを忘れる勢いで。

 

 

翌日に一気に挽回を図る〜スピードが命〜

その翌日は、前日の課題を一気に解消すべく、現地でその日本人メンバー(部長クラス)と7時間以上を使って中身を詰めていきました。現地に1日留まっていて正解でした。

ヒルトンのロビーにずっと缶詰です。すぐさま前日の上手くいったこと・上手くいかなかったことを整理し、上手くいかなかったことに対するアクションを洗い出しました。

そして帰国後にすぐ使う「提案書」をその場で作成。それを双方で発表しあいながら、日本人メンバーと10回以上のロープレをその場で行い、あらゆる反応を想定して提案書のシナリオを組み立てました。

同時に日本本社のトップマネジメントへの報告もまとめました。

この工程。普通に考えたらその翌週1週間をかけてまとめていくような内容です。が、それを現地・現場ですぐにやっちゃうから「価値」があるんです。

その場で、翌週以降のアポを確定していきました。もちろんアメリカに再度訪問する前提での段取りです。11月を想定しています。要は上手くいかなかったこともたくさんあったわけですが、とっとと悩みの種を潰して、行動に移すこと。そういう時こそ考えていても仕方がない。

さすがに全てを終えた時はどっと疲れましたが、やりきった充実感のほうがむしろ大きかったです。

そして夕方はノックスビルの古き良き街並みを見ながらタコ焼きとテネシーウィスキー!

 

この日もその日本人スタッフといろんなことを語りあいました。なかなかこうした機会がないとゆっくり話す機会がないので。翌日水曜の朝フライトで、日本に帰国後(木曜)そのままお客様と会食でしたので、早めに切り上げました。

 

帰国後、そして顧客と会食

月曜・火曜の2日間、1週間分くらいのとても濃厚な時間でした。2週間前もアメリカだったから、流石に疲れました。

テキサス州のヒューストンを経由して14時間の空の旅でしたが、むしろ短い飛行時間でいられるよりも体力チャージにはちょうど良かったです。

 

 

そして、日本に帰国後、顧客との会食で現地に直行です。こうやって頑張った自分だからこそ、金曜は思いっきり遊んで(歌って 笑)、週末はさすがに温泉でも行ってゆっくりしたいな〜! そういう素朴なところ(楽しみ)が結構拠り所です。

以上、今回のアメリカ出張日記でした。

これまでの海外出張日記はこちら

 

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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!

お互い切磋琢磨していきましょう。

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