仕事の報酬は何か?それは3つの段階があった: 仕事の思想(田坂広志著)

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30歳の時から毎日、私は徹底的にノートを活用して夢と目標を実現してきた「超メモ魔」です。10年以上をかけてノートに3,000以上の成功のノウハウをコツコツ蓄積し、それは今でも続いています。様々なマネジメントを経験し現在はグローバル企業を経営しています。これまで10冊の書籍を出版。大学や企業からの講演、参加者が累計1000名を超える経験を元に毎月勉強会も行っています。

そこに至るまでに、様々な修羅場を乗り越えてきました。そんな私のサバイバルノート活用ノウハウを毎回このブログで紹介しています。継続は力を最大化します。あなたにはそこまで継続してきた私ほどのメモ魔になってもらう必要はないと思いますが、「そこまでやるか」までをあなたに紹介することでお役に立てるヒントがたくさんあると信じています。

今日は、目標を設定する具体的な方法について、そしてさらに踏み込んで、その目標を継続進化させていくノート術について説明したいと思います。

今回、あなたにお送りしたいテーマは「仕事の報酬は何か?それは3つの段階があった: 仕事の思想(田坂広志著)」です。今日も自分独自の実体験をベースに3分程度で読める内容にまとめました。

 

このコラムのテーマ

なぜ私たちは働くのでしょうか? 給料をもらうため? 確かにそれもそうですが、給料をもらうだけで人生も、キャリアも充実するのでしょうか? 仕事のモチベーションは? 「給料で自分の人生を会社に売り渡した」という状態になってしまわないように、どうすればいいのでしょうか?

 

では、はりきっていきましょう!
ゴールデンウィークは読書を楽しもう! ということで、今日も読書特集をお送りします。GWは一日1冊ペースで読書をしています。ずっと勉強をしているわけではなく、午前は読書とブログへの整理、午後は車でドライブと、仕事から完全にオフをしてとことんで遊んでいます。なかなか充実したGWです。

GW中の読書は、最初は興味あるテーマから入り好奇心をくすぐり(GWを楽しむ初速をつけ)、そして普段の仕事ではふれないテーマ(歴史や哲学等)で視野を広げ、そして休み明けの頃には徐々に仕事や人生の本質に迫る自己啓発的な書籍を読んで視点を高くし(同時にやる気を上げ)、連休明けの直前では仕事に直結するテーマに戻り連休明けの「スタート」が張り切れるようにしています。そこで本日はそんな「視点を高くする」本を紹介します。明日はあさってからのだらけをなくすように仕事バリバリの本を読みます。

なぜ私たちは働くのでしょうか? 給料をもらうため? 確かにそれもそうですが、給料をもらうだけで人生も、キャリアも充実するのでしょうか? 仕事のモチベーションは? 「給料で自分の人生を会社に売り渡した」という状態になってしまわないように、どうすればいいのでしょうか?

書籍ではいきなり「仕事の報酬と何か?」を問われるのですが、私にははっきりとした主張はありませんでした。だから、興味深く読み進めていきました。普通に考えたら、それは「給料」でしょう。でもそれだけでしょうか? 給料がもらえるようになっても、それだけだと物足りなさを感じていきます。本書では仕事の報酬は以下の3段階に発展していきます。

 

仕事の報酬は何なのか?

1. 仕事の報酬は「能力」である

仕事に一生懸命に取り組んでいくと、仕事のスキルやノウハウが身についてきます。これがだんだんと面白くなってきます。私は今でもそうですが、スキルを高めていくと自分が一段も二段もレベルアップしたようで嬉しくなります。

「できなかったことが、できるようになる」という体験は、人間にとって本源的な面白さであり、楽しさなのでしょう。だから、それが、だんだんと面白くなってくるのです。とくに、企画力や営業力などの高度なスキルやノウハウが求められる仕事は、それができるようになるのは大変ですが、ひとたびその能力を身につけると、大きな喜びを味わうことができます。新しいスキルやノウハウを身につけることの面白さが味わえるのです。
たとえば、企画力が求められる仕事には、そもそも、新しいビジョンや戦略を想像するという面白さがあります。そして、そのビジョンや戦略を単なる抽象論にとどめず、明確な戦術やアクションへと具体化していくとき、その面白さがさらに深まっていくのです。
また、営業力が求められる仕事には、そもそも、生身の人間を相手に商品を納得してもらうことの喜びがあります。そして、商品を納得してもらうためには、何よりも、その商品を売ろうとしている人間を納得してもらわなければならないということに気がづいたとき、その喜びがさらに深まっていくのです。
もちろん、そうして力が伸びていくためには、やはり、職場の上司や先輩に恵まれることが大切でしょう。しかし、仮に職場の上司や先輩に恵まれなくとも、拙いなりに自分で考え、工夫して仕事に取り組んでいくことは大切です。その姿勢を抜きにして、力が伸びることは決してないからです。

書籍で言及されていますが、先を見て腕を磨くことをしていかなければ、結局は、給料そのものが上がっていくことはないでしょう。「目先の給料の高さに目を奪われるよりも、プロフェッショナルとして自分の能力を長期的な視点から開発していく道を大切にすべき」と著者が言及する点に私は共感します。

とはいえ、確かに目先の給料は重要だと私は思います。でも、この本を読んでそこにばかり意識がいって、本来あるべきことができないのは本末転倒だと実感しました。もしそれでも給料が必要なら(私はその思考が強いので)、それだけではなくここで言及されている「仕事の報酬」が得られる環境は最低限選択していきたいです。

仕事のスキルやノウハウを身につけ、仕事の能力を磨いていくと、その向こうにさらに新しい世界が見えるようになってきます。それはどんな報酬でしょう?

2. 仕事の報酬は「仕事」である

この発想は言われてみて「確かに」と思いました。仕事のスキルやノウハウを磨いていくと、これまでできなかった新しい仕事に取り組めるようになってきます。

自ら企画を作成して「やりがいのある仕事」ができるでしょう、あるいは周囲から「やりがいのある仕事」が回ってくることもあるでしょう。これって、自分なりに解釈すると「どんな仕事でもやりがいを見つけること」が大切だということ。

こうして企画し、提案し、実現する「やりたい仕事」というのは、実は 「やりがいのある仕事」にほかならないのです。なぜならば、そうした仕事というのは、単に自分にとって満足を得られるだけではなく、自分の会社にとっても、相手の顧客にとっても、さらには、社会にとっても、大きな意義のある仕事だからです。

こうして仕事のスキルやノウハウを身につけ、やりがいのある仕事ができてくるとさらに新しい世界が見えてきます。それはどんな報酬でしょう?

3. 仕事の報酬は「成長」である

それは「自己の成長」であり、「他者の成長」。

ひとりの職業人として成長していくことは当然ですが、それだけではなく、「ひとりの人間として成長していく」ことができると著者は言います。この考え、すごく大事だと共感しました。

そしてこの「人間としての成長」とは何か? それは、「こころの世界が見えるようになってくる」と書籍では言及しています。それは顧客の気持ちや職場の仲間の気持ちがわかるようになってくるということ。すると「うまく働くこと」ができるようになる。

なぜならば、「働く」とは、「傍」を「楽」にさせることだからです。そばにいる顧客や仲間を楽にさせてあげることだからです。たとえば、顧客に提出する企画書ひとつでも、顧客の要求や希望だけでなく、顧客が社内で置かれている立場や気持ちがわかっていると、いわゆる「痒いところに手がとどく」ような企画書が書けるのです。そして、そのことによって、顧客を楽にしてあげられるのです。また、職場の仲間と協働して進めるプロジェクトにおいても、単に仲間の能力や適性だけでなく、仲間の性格や気持ちがわかっていると、プロジェクトを文字どおり「円滑」に進めていくことができるのです。そして、そのことによって、仲間を楽にしてあげられるのです。そして、こうして、顧客や仲間を楽にしてあげられると、顧客や仲間の喜ぶ顔を見ることができます。そして、その喜ぶ顔を見ることによって、私たちは、自分の成長を実感し、成長の喜びを味わうことができるのです。

この考え、自分が働く理由を考える上で大切にしたいな、と思いました。そして、もう一つの大事なメッセージ。

 

「仕事の報酬は 、成長である」その世界を見失わないことが大切です。なぜならば、 「人間としての成長」とは、決して失われることのない報酬だからです。たとえば、仕事の報酬としての「給料」や「地位」は、給料を使い、地位から退けば、その報酬は失われてしまいます。また、身につけた職業人としての「能力」も、時とともに腕が落ちることもあるでしょう。新しい技術の出現によって陳腐化してしまうこともあるでしょう。

「人間としての成長」という報酬だけは、決して失われることのない報酬なのです。仮に困難や障害に直面して仕事そのものが挫折したとしても、その困難や障害と格闘するなかで、かならず人間というものは成長していくことができるからです。

では、人間が成長していくための方法とは何でしょう? 書籍では大きく2つの点に言及します。

 

人間が成長していくための方法は「夢」と「目標」

それは「夢」を語り、「目標」を定めることだと著者は言いきります。

「夢」を語る

「夢を語る」ということが、私たちに生き生きとした目標を与えるのであり、その生き生きとした目標が、それに向かって精一杯に力を尽くすエネルギーを生み出します。

人前で堂々と夢を語るということは、おのずとその発言に対する責任を負うことになるため、自分自身を追いつめていくための優れた方法になるのです。そして、人間が最も成長するときとは、自分にとって達成できるかどうかわからないほど難しい課題にあえて挑戦し、退路を断って悪戦苦闘するときなのです。

言われて当たり前に感じるかもしれませんが、この書籍ではニュアンスが違います。これについては後述されます。

「目標」を定める

書籍ではこんな例示がされています。「棒高跳び」では、競技に勝つための練習をするとき、高いところに「バー」を置くことは絶対に必要な条件です。バーを置かずに「とにかく、飛べるだけ高くとんでみろ」と言われても決して記録はでません。人は目の前に明確な目標があるから、それに向かって力を振り絞れるのであり、力を振り絞れるから、力が伸びていくわけです。

力を振り絞らないと「成長」しない

では目標さえあればそれでいいか? というとそうではないと著者は言います。なぜなら、成長していくためには「力を振り絞る」ことが必要だからです。目標だけでは力を振り絞れないのです。

先ほどの棒高跳びの例でいうと、その具体的な「目標」であるバーの向こうに「夢」がなければならないのです。それは「県大会での優勝」であったり、「歴史に残る記録」であったり、夢があるからこそ、人は力を振り絞ることができるのです。ここで私は自分の夢について、今一度、GW中に考えることにしました。

夢は「本気で語れる」ものを

ただし、どんな夢でも力を振り絞れるわけではありません。「本気で語る」ものである必要があると著者は言います。それは精神論ではなく「本気で信じる」姿勢です。

もし 、誰かが本当にポジティブ ・シンキングを行いたいのであれば、その人に求められるのは、実は、 「念の強さ 」ではありません。求められるのは、 「無邪気さ」や 「純粋さ」なのです。自分の描く夢の実現を無邪気に信じることのできる力や、その実現をただひたすら純粋に祈ることのできる力こそが求められるのです。そして、そうした力は、ときに、 「天が与える」とでも呼ぶべき稀有な能力であることも、またひとつの事実なのです。

人が成長していくための方法には「夢を語ること」と「目標を定めること」ですが、著者はもう一つあると言います。

 

人間が成長していくための方法は「鏡」を見ること

それは「」です。

「鏡」を見ること

自分自身が、いま成長のどの段階にいるか、あるいはいま突き当たっている壁が何であるかを知ることです。自分が思っているほどにこうしたことがわかっていないのです。だから「鏡が必要」と著者は言います。

その鏡を見る一番の方法は「顧客」です。顧客が私たちの姿を映し出す鏡です。特に「厳しい顧客」は「優しい顧客」。顧客とは私たちのこころの姿勢を映し出す鏡であり、私たちの成長する姿を映し出す鏡と著者は言及します。

私自身、過去の経験として顧客に最大限努力して提案した内容がおもいっきり却下されたり、顧客に誠心誠意接してもそれが理解されず、競合企業に提案で負けたことがたくさんあります。顧客にどっぷり入ったことも、顧客から思いっきり叱られたこともあります。社内や自分自身ではOKでも、顧客にはそうではない。顧客の言いなりになる必要まではありませんが、いかなる理由があれ、顧客に認めてもらわない限り自分の成長レベルはわからないのです。

それは、当時SAPで営業をやっていた自分が、今の会社でITやコンサルティングなど多くの企業に提案いただくようになり、わかったことです。

「顧客と共感する」ことで鏡は磨かれる

そして顧客を鏡として成長していこうとするとき決して忘れてはならない、大切なことがあると著者は言います。それは、「顧客と共感する」ことです。「顧客と共感する」という言葉は、「顧客から共感を得る」ことであると思って言う人が多い。しかし、この発想は実は逆です。「顧客と共感する」ということは、まず何よりも自分達から「顧客に共感する」ことなのです。その際、「顧客に共感すれば、顧客から共感を得られる」「顧客のファンになれば、顧客になってもらえる」といった「操作主義(計算)」ではなく、「無条件に」顧客に共感することが大事と著者は言います。

私たちは、無条件に顧客の気持ちに共感できるでしょうか。何の計算もなく、顧客の気持ちに共感できるでしょうか。それは、たしかに難しいことです。なぜならば、「共感」とは、相手の真実を感じとることだからです。自分の価値観や世間の常識にとらわれず、ただ虚心に「相手にとっての真実」を深く感じとることだからです。しかし、そうした意味で「顧客に共感する」ということができたとき、私たちは、またひとつ、「こころの成長」の階段を登っていくことができるのでしょう。そうして顧客に共感することを通じて、私たちのこころは成長していくのでしょう。

 

人間としての成長の上で最も求められる能力とは?

人間としての成長を考えるとき、私たちが理解しておくべき大切な言葉があると著者は言います。それは「人間学」や「人間力」です。

「人間学」は人間を感情を持って見つめること

まず「人間力」の前提となる「人間学」は「人間」というものを深く見つめること、このことに尽きると著者は言います。しかもただ観察しているだけではなく、「感情移入」して観察することが大事。すると「こころの痛み」がともない、「強い感情の動き」を感じるようになる。そうした体験を通じて「人間学」を学ぶことができると。私自身、この域に達していないと実感しました。だから、この文脈に私はとても共感しました。

「人間」というものを深く見つめることができる体験というのは、かならず 「こころの痛み」がともなっています。そこには、かならず「強い感情の動き」があります。そして、その 「こころの痛み」や 「強い感情の動き」をきっかけとして、人間というものを深く見つめ、人間というものを深く考えはじめるのです。真に「人間学」と呼べるものは、そうした体験を通じてこそ学ぶことができるのだと思います 。

 

「人間力」は人間というものと格闘すること

そして「人間力」を身につけていくために大切なことは、「人間というものと格闘すること」と著者は言います。

きわめて高度な精神的能力である 「人間力 」を高めようと思うならば 、やはり 、ある人間と真剣に正対し 、その人間の精神と格闘し 、その精神の緊張が生み出す苦痛と戦いながら 、自分の精神の限界に挑戦しなければなりません 。それをしないかぎり 、 「人間力 」が高まっていくことはないのです 。しかし 、こうした 「物分かり 」のよいマネジャ ーは 、無意識に 、そうした格闘を避け 、苦痛を避けているのです 。だから 、こうしたマネジャ ーにとっては 、 「物分かり 」のよさとは 、そうした格闘を避けるためのカムフラ ージュなのです 。

 

ここまでは、「自己の成長」について、書籍ではここから「他者の成長」についての方法に話が展開します。書籍の内容はとても切れ味がよく、そして言葉の一つ一つがよく考えられててすごく読みやすく、たくさんの気付きが得られます。これまで紹介した書籍もそうですが、集中すれば一日で読めます。ぜひ、おすすめです。

あなたも、「自分はなぜ働くのか?」「自分が働く報酬は何なのか?」をこのGWや休暇中にゆっくり考えてみるといかがでしょうか?

仕事の思想 (田坂広志著)

なぜ、我々は働くのか。この深い問いに対しては、あくまでも、私たち自身が、その人生と思索を通じて、答えを見つけていかなければなりません。本書は、その思索を深めるために、仕事の真の報酬とは何か、を始めとする様々なテーマについて、著者の体験的なエピソードを交え、語っていきます。仕事を通じていかに成長していくか。成長のために夢や目標はいかなる意味を持つのか。なぜ顧客は成長の鏡となるのか。顧客との共感ということの本当の意味は何か。人間学を学び、人間力を身につけていくための唯一の方法は何か。なぜ、人間との格闘が大切なのか。働く人間にとって地位とは何か。生涯、会うことのない友人が、なぜ、我々の支えとなるのか。仕事の本当の作品とは何か。職場の仲間とは何か。仕事において、未来とは何か。そして、なぜ、仕事に思想が求められるのか。それらのテーマを深く考えることを通じ、読者一人ひとりに、生き方と働き方を問う本です。(Amazonより)

 

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今日も明日も、あなたにとって、私にとって、よい一日でありますように!

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